由緒ある歴史と近代文化の共在[天王寺エリア]ビブグルマン2018掲載店

大阪市のほぼ中心に位置し、貴重な歴史と近代的な施設、観光スポットとが融合した「天王寺（てんのうじ）エリア」。天王寺エリアは天王寺駅・大阪阿部野橋駅周辺のエリアを指し、また同エリアを阿倍野エリアと呼称する場合もあります。天王寺駅前は2000年代の再開発を機にあべのキューズモールや天王寺ミオ、あべのHoop、あべのand、あべのnini、あべのアポロ、あべのルシアス、近鉄百貨店あべのハルカス近鉄本店、あべのハルカスなど大変多くの複合商業施設・大型商業施設が屹立。駅周辺は天王寺エリアの中でも出色の発展エリアで、日常的なショッピングや外食、娯楽などに適した環境を誇ります。中でもあべのハルカスは、高さ300メートルの超高層ビルで、最上階の展望台ハルカス300からは大阪府内だけでなく、六甲や淡路島などを「見晴るかす」こともでき、日本で最も高い高層ビルとして天王寺エリアだけでなく国内外からも注目を浴びる存在となっています（2018年1月時点）。三菱地所による現在建設中の東京丸の内エリアの再開発計画では、東京駅前のビルの構想が高さ390メートルと発表があり、これが現実になった場合はあべのハルカスは高さ日本一の座を譲ることになりますが、天王寺エリアや東京駅前再開発の今後の展開にも注目したいところです。
また、天王寺エリアには観光スポットが点在していることでも有名です。天王寺駅・大阪阿部野橋駅から徒歩スグのところには天王寺公園があり、天王寺公園内には天王寺動物園をはじめ、大阪府指定史跡に指定されている前方後円墳・茶臼山古墳（ちゃうすやまこふん）、重要文化財の多くを擁する大阪市立美術館、かつて真田幸村（真田信繁）や徳川家康の陣城として使われたことでも有名な城・大塚城（おおつかじょう）など、ファミリー層に人気の施設から歴史を感じられる史跡まで幅広い名所が遍在しており、駅から徒歩スグという立地の良さも相まって連日多くの観光客で賑わいます。さらに天王寺エリアから少し東側に歩けば、大阪の定番観光名所でもある新世界や通天閣もあり、名所巡りの後に新世界で食い倒れの街を体感するのもオススメです。天王寺駅や大阪阿部野橋駅周辺にはシティホテルやビジネスホテルも局在しているため、難波（なんば）や心斎橋などといったミナミへの観光などの際に天王寺エリアを拠点とする方も多く、宿泊場所としても人気の高いエリアです。

天王寺エリアは上述したように観光スポットを多数擁していますが、エリアの特徴として古くからの寺院が多いという点も挙げられます。特に有名なのが天王寺駅の北部に位置する四天王寺（してんのうじ）。四天王寺は聖徳太子建立の七つの寺院である「聖徳太子建立七大寺（こんりゅうしちだいじ）」の一つとして数えられている由緒ある寺院で、日本書紀によれば四天王寺は日本最古の寺院だと記されており、日本の歴史を知るには欠かせない存在。四天王寺は、重要文化財の建造物や、国宝をはじめ、登録有形文化財、史跡などを多数保有しています。また、「天王寺」はこの四天王寺の略称だと伝えられており、天王寺エリアは四天王寺とはるか昔から深く結びつきがあると言えます。
このように、天王寺エリアは再開発エリアとしての繁華街イメージだけではなく、古くからの寺院や歴史ある史跡、緑溢れる公園などを有する落ち着いた街並みも共存するエリアで、実は閑静な住宅地街も多く住宅地としても人気があります。特に北畠や真法院町は高級住宅街として知られ、穏やかな雰囲気に邸宅のような家が並び、羨望の眼差しを受けています。大正時代にはそのような閑静な住宅地に教育施設があることが望ましいとして、ここ天王寺・阿倍野エリア界隈には小学校・中学校・高校・大学・専門学校などの名門が集まり、教育施設集積地帯となり現代では文教地区としても全国的に有名になっています。

ターミナル駅としての顔を持つ天王寺・阿倍野エリアには多数の沿線が乗り入れており、JR関西本線・大阪環状線・阪和線、地下鉄では御堂筋線と谷町線が走る天王寺駅、近鉄南大阪線大阪阿部野橋駅が乗り入れ、大阪南部の玄関口として難波駅と並ぶ便利なターミナル駅を形成しています。地下鉄を利用すれば大阪市内の主要エリアへ、JR線やリムジンバスを利用すれば関西国際空港や伊丹空港へもアクセス可能なので、府外からも交通至便な点も、住宅地としてや観光エリアとして注目される理由の一つです。

そんな天王寺エリアには、先述した駅前の各大型商業施設群内に集積している飲食店をはじめ、数多くのグルメスポットがあります。居酒屋や粉もん屋、カフェなど幅広いジャンル展開がありますが、中でも注目なのはご当地グルメとして地元住民に愛され続けるたこ焼き屋「やまちゃん」。行列に並ぶのを嫌う関西人が並んでも食べたいたこ焼きがここにはあります。鶏ガラやフルーツ、野菜などを10種類以上使用して煮込んだ出汁を生地にしているため、風味豊かで味わい深い生地が堪能出来ます。外カリ・中トロの極上の食感は、クセになるとの声多数。メニューはいくつかありますが、「ベスト」という何もつけずにそのままいただくというメニューも大変人気で、生地に自信があるからこそのメニューだと言えます。お値段もリーズナブルなので、駅に立ち寄った際についつい寄ってしまう地元ならではたこ焼き屋です。また、同店の二号店もありますので混み具合や場所などを考慮して選択するのもオススメ。イートインの有無や料金など、多少違いがあるようなので注意が必要です。
やまちゃんは、本店・2号店共にミシュラン・ガイド京都・大阪2018のビブグルマンに掲載されており、地元だけでなく世界的にもそのたこ焼きへの愛情とこだわりが認められています。

・「やまちゃん 本店 」（たこ焼き）食べログ ★3.59
・「やまちゃん2号店 」（たこ焼き）食べログ ★3.58
・「BODEGA（ボデガ）」（ピッツェリア）食べログ ★3.51
・「たこつぼ」（お好み焼）食べログ ★3.18

※★は2018年1月25日時点の評価です

駅前の栄えている様子を目にすると、一見街全体が繁華街のように映りがちです。しかし、実際に自分の足で街を散策してみると、今まで見ていた景色とは全く違った街の性格や表情が見えてくるもの。天王寺エリアは、駅前にある近代的な街並みとその奥にある古い歴史の面影が同居した稀有な存在です。もしあなたが乗り換えや観光で訪れた際には、少し奥路地へ寄り道してみて下さい。見た目やイメージだけにとらわれない、そのエリアの隠れた一面を知ることが出来るきっかけになること必至です。

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筆者 リフナビ大阪編集部

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