推拿（すいな）とは？中国式マッサージの効果や5つの技法について

推拿とは、中国医学に基づいたドライマッサージの一種です。
推拿には、心身の不調改善やリラックス効果に期待できる特徴があります。
とはいえ、推拿に対して聞き馴染みがなくどんなマッサージなのかイメージがわかない方も多くいるでしょう。
そこで本記事では、推拿に関する基礎知識や期待できる効果、代表的な技法などについて詳しく解説します。
中国式マッサージに興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

推拿（すいな）とは？基礎知識をわかりやすく解説

推拿とは、中国の伝統医学に基づくドライマッサージです。
より推拿について理解を深められるように、次の3点について詳しく解説します。

• 推拿の特徴
• 推拿と中国医学の関係性
• 推拿の起源と歴史

推拿を受けてみたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

推拿の特徴

推拿の特徴は、手・指・肘を使って体の特定の部位を「圧迫」「揉みほぐし」「叩く」ことでエネルギーの流れの改善を狙う点です。
なお、「推」は押すことを意味し、「拿」はつかむことを意味しています。
体のエネルギーである気の流れを調整し血行を促進すると、筋肉の緊張が緩和し、痛みが和らぐ効果に期待できるのです。
推拿の施術はリラックス効果が高く、身体の自然治癒力を高められることに期待できます。
ドライマッサージであるため、オイルの感触や香りが苦手な方でも、施術を受けやすいのが推拿の魅力の一つです。

推拿と中国医学の関係性

推拿は、中国の伝統医学の一部として、古代から現代まで受け継がれてきました。
推拿の施術は、陰陽理論や五行説といった、中国医学の基本原理に基づいています。

＜陰陽理論と五行説について＞

陰陽理論	体内のバランスが健康を維持するために重要である考え方
五行説	体の各部位が相互に関連し合っていることを示す説

中国医学では、身体の不調は気と血の停滞や不足、過剰によって引き起こされるとされています。
推拿は、これらの問題を改善するための有効な手段として用いられてきたものです。
現代においても、推拿の技法は多くの人々に支持されています。

推拿の起源と歴史

推拿は、殷の時代を経て「漢（かん）時代」（紀元前202年から220年）に大きく発展します。
漢の時代に「黄帝内経（こうていだいけい）」と呼ばれる「気」「血」の流れや経絡の概念が記された中国医学の古典がまとめられ、推拿の基本原理となったのです。
その後、唐（とう）〜宋（そう）の時代を経て推拿は広く普及し、民間医療に取り入れられ、技術が体系化されました。
中国国内での歴史を経た推拿の技術は、現代では国際的な需要も高まり、多くの人々に学ばれ、実践されています。
推拿は長い歴史と豊かな伝統を持つ療法であり、効果と信頼性がしっかりと確立されているのです。

推拿で期待できる心身の効果について解説

推拿は、古代中国から現代にいたるまで継承・発展され続けてきたマッサージ療法です。
施術を受けることで、身体と精神の両方に良い効果がもたらされるでしょう。
そこで、これから施術を受けてみたいと考えている方向けに、推拿に期待できる心身への効果について詳しく解説します。

身体的な効果

推拿が身体に対してもたらす主な効果は、次の6つです。

• 筋肉の緊張緩和
• 血行促進
• 痛みの軽減
• 筋肉の柔軟性向上
• 免疫力の向上
• 代謝の改善

推拿の施術を受けると、筋肉の緊張が和らぎリラックスした状態になります。
長時間のデスクワークや運動後の筋肉のこりに対して、高いパフォーマンスを発揮するのが特徴です。
血行が促進されると、酸素や栄養素が体の各部に行き渡りやすくなり、細胞の修復や再生が促されます。
推拿を受けることで、総合的な健康状態が向上し、慢性的な痛みや不快感が軽減されることにも期待できるでしょう。

精神的な効果

推拿が精神面に対してもたらす主な効果は、次の5つです。

• ストレス解消ストレス解消
• リラクゼーション
• 不安の軽減
• 睡眠の質向上
• 気分の安定

推拿の施術は、心身のリラックスを促すため、ストレス解消に効果的です。
施術中に使用されるリズミカルな手技により、ストレスホルモンの分泌が抑えられ、心身が落ち着きます。
リラクゼーション効果が高い推拿を受けることで、不安や緊張を軽減し、気分の安定にも期待できるでしょう。
仕事や私生活で不安を感じやすい方や、慢性的なストレスに悩んでいる方には、推拿を一度受けてみることをおすすめします。

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推拿の基本技法5つとそれぞれの効果を解説

推拿の代表的な技法は、次の5つです。

• 推法（ツイファ）
• 拿法（ナーファ）
• 按法（アンファ）
• 揉法（ロウファ）
• 叩法（コウファ）

それぞれの技法や期待できる効果について、詳しく解説します。

推法（ツイファ）

推法とは、手のひらや指を使って、筋肉を押し流すように動かす技法です。
筋肉の緊張を緩和し、血行を促進する効果があります。
全身の血液循環を改善して筋肉のこりや痛みを和らげるため、リラクゼーション効果が高いのも特徴です。
内臓機能の活性化やデトックス効果にも期待できるため、全体的な健康状態を向上させる技法の一つといえるでしょう。

拿法（ナーファ）

拿法は、手や指で筋肉をつかみ、持ち上げて揺らす技法です。
筋肉や腱の深部に働きかけ、こりや張りを解消する効果があります。
拿法は、肩こりや腰痛の緩和に対して効果的であり、深層筋の緊張をほぐすのに役立ちます。
拿法によって筋肉の緊張が解かれると、血流が改善され、体全体のエネルギーバランスが整うでしょう。

按法（アンファ）

按法は、手のひらや指で特定の部位に圧をかけて押す技法です。
経絡やツボを刺激することで気血の流れを調整するため、痛みの緩和や内臓機能の改善など、身体の調子を整える効果に期待できます。
体内のエネルギーの滞りを解消する按法は、リラクゼーション効果が高い点も特徴です。
ストレス解消や疲労回復にも期待できるでしょう。

揉法（ロウファ）

揉法とは、手のひらや指を使って筋肉を揉みほぐす技法です。
筋肉の緊張を解き、柔軟性を高める効果があります。
血行促進や疲労回復に優れているため、運動後のケアや慢性的な筋肉のこりに効果的です。
筋肉の柔軟性が向上すると関節の動きもスムーズになるため、体全体の動きの改善にも期待できるでしょう。

叩法（コウファ）

叩法とは、手や指を使って体の表面を軽く叩く技法です。
リズミカルな施術によって、筋肉や皮膚に心地よい刺激を与えます。
筋肉の緊張を和らげるため、疲労回復にも効果的です。
また、叩法によって血行が促進されるため、神経系の活性化にも期待できるでしょう。

まとめ

推拿（すいな）は、中国の伝統医学に基づくドライマッサージです。
長い歴史と豊かな伝統を持つ手技療法は、現代では世界中で需要が高まり、多くの方々が学んでいます。
推拿の特徴は、手や指を使った技法によって特定の部位を「押す」「揉みほぐす」「叩く」ことで、身体のバランスを整えて健康を促進する点です。
また、推拿の施術はストレス解消や心身のバランスを整える効果にも期待できます。
身体的・精神的な癒やし効果を求めている方は、現代でも世界中で利用される優れた療法である推拿を、ぜひ一度お試しください。

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